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7月6日(土) 祇園祭鉾町 船鉾町を訪ねる ー二階囃子を聞きに行こうー


船鉾の会所
7月1日、八坂神社で行われる祇園祭の神事事始である「切符入り」の翌日から
鉾の辻に流れる二階囃子(にかいばやし)は、お祭りのプロローグ。
車が走り、勤め帰りの人たちが往来する平常ままの町なかをコンチキチンが静かに響く風情を体験した7月の親子会でした。

 
秦家の店の間

 親子会で二階囃子を聞きに出かけるのも3年目になりました。今年は、いつも表通りから見上げて聞くだけだった船鉾町の会所に上がって、お囃子の練習風景を見学させてもらえることになりました。お世話いただいたのは、船鉾町会所のお向かいのお宅にお住まいの長江さん。こちらのお宅は「長江家住宅」として、京都市文化財指定されている大店の構えの京町家。長江さんのご好意で、お宅の見学と子どもだったころのエピソードについてのお話を伺うことができました。
 秦家の店の間に集まった子供たちには、お宅にお邪魔するときの挨拶の仕方などを伝え、秦家も初めてだった子供たちのため、店から土蔵のある奥までの見学をしてから、出かけることにしました。

 

奇應丸の匂い
秦さんの家は「奇應丸(きおうがん)」という子どもの薬を作る 仕事をしていました。
奇應丸の入った薬瓶や、原料だった沈香(じんこう)、牛黄(ごうおう)の匂いを確かめてみました。
鎮静効果のある清涼な香りも、子供たちには強すぎたようでした。

 秦家を見学
初参加の子どもたちのために、 店の間から玄関棟を通って住居棟も探検、見学。
奥庭へ、視界の広がった子どもたちから「わー」と、声が上がりました。

秦家見学−蔵の中
さらに、縁側を奥へ進んで「お蔵」のなかへ。
ひんやりとした蔵のなか、独特の土の匂いも感じてもらいました。

大船鉾のお囃子(室町通)
囃し方のお稽古は、あちらこちらで行われます。
こちらは、今年初めてお囃子が17日の山鉾巡行に参加する、大船鉾の囃し方の皆さん。
室町通に面した池坊大学キャンパスの広場で演奏されています。
このようにして、鉾町の各所で祇園囃子が流れはじまるのです。

長江家前
船鉾町の長江さん宅へ、 午後7時訪問の予定でした。
秦家には通いなれている子も、他所の初めてのお宅に入ることはあまりありません。
さあ、みんな少しj緊張してくれている様子。(ヨシヨシ、その緊張感も大切な体験です。)

長江家ゲンカン庭
小さい子から順番に並んで玄関庭に立ちました。後ろに保護者のみなさん。
「こんばんは。よろしくおねがいします。」子どもたちの足先、手先がきちんと揃っていました。
こちらのお宅の場の力が、自然に礼をわきまえた姿勢にさせてくれるとでもいうのでしょうか。

 
長江家の中の間
ご当主の長江さんに出迎えられて、お宅に上がらせていただきました。
大人の皆さんは、お気づきだったでしょうか?
お話を伺う場所としてご用意いただいたのは「座敷」ではなく、その控えの間である「中の間」でしたね。
子どもたちの座っているちゃぶ台の前、座敷側には涼しげな夏向きの衝立が立っています。
この日の訪問者の「主」は子どもたちでしたから、お迎えいただいて促されたお部屋は「座敷」ではなく「中の間」だったのです。
奥座敷は、そのお宅にとって大切な場面にこそ人を迎え入れるところ。
ご当主が子どもたちを迎えて応対する場として、「奥座敷」はふさわしくないのです。
メリハリをつけた住まいの使い分けです。
「子どもは、お家をウロウロしたら、叱られたもんです。ただ、お正月と、お祭りだけは特別でお店であそばせてもらいました。」
と、長江さんもお話されていましたね。

長江家の縁側
長江家の土蔵
 お話後、座敷から奥庭を通りさらに奥の離れまで御案内いただきました。浴室と横の化粧部屋。その部屋の障子を開けたところに、お蔵がありました。 長江さんのお宅には2棟のお蔵がありました。少し悪いことをした時に入れられたお蔵。さらに、もっと悪いことをした時に入れられたお蔵には、熊野神さんが住まわれているのだそうです。ほんのひと言、二言のお話でしたがが、御伽噺が書けそうです。この家には、ほかにもたくさんの物語があるように思います。

船鉾の町会所
長江家を後にして、向いの町会所へ移動しました。
1階では、たくさんの大人や子どもたが集まり、みなさんで船鉾町の粽作りの作業中。
そんな熱気にあふれた部屋を横切って、二階の囃し方稽古場にお邪魔しました。

稽古場
冷房もない稽古場で、主は写真に居並ぶ男児が打つ「鉦(かね)」で
太鼓は、その鉦を導く指揮者のような存在だそうです。
解説を聞く
囃し方代表に、祇園囃子の楽譜の説明をしていただきました。
譜面は、上ではなく黄色い木綿地に印刷されていました。そこに、○や▲の記号が並んでいます。

 
布製の譜面
初めて見た祇園囃子の{「鉦」譜面です。○と▲は、たたく鉦の位置を表しているのだそうです。
お囃子は、50以上の恭賀あるそうで、四条通を八坂神社に向って巡行するときはゆっくりとした調子の「上り囃子」。
四条河原町で北へ方向を変える辻回しのあとは、徐々に調子は速くなる「戻り囃子」へと変わります。
曲の種類は50曲以上あるのだとか。おおかたの曲を覚えるのには、十年以上の経験が必要なのでそうです。

鉦の譜面 
▲は、鉦の底を打つ印。
左側、縦に2つ並んだ○は鉦の縁の「下」を打つ印。
右側の○は鉦の縁の上を打つ印。
4つの印どおりに打つと、「コン・チ・キ・チン」 と鳴ります。
 
 表通りを歩いているだけではわからない、祇園祭の裏側の世界を見せていただきました。船鉾町にもマンションが建っています。そこで生まれ育っている子どもたちも、町内の大人に混じってウロウロ楽しそうにしていました。2階でお囃子の練習がはじまると傍に座って聞いている女の子も居ます。(このお町内は、囃子方に参加できるのは男子だけなのです。)
  組織としての結束を重んじる山鉾町は、32ケ町それぞれに独自性を強く意識してお祭りを行っています。
そのようななか、とても貴重な体験をすることができた親子会。お世話いただいた、長江さん、船鉾囃子方保存会の皆さんに感謝です。

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