冬の朝ごはん
大寒の頃、通りの闇を突き破って太鼓の音が響きます。格子の前を足早に歩き去ってゆく影の主は、寒行に歩くお坊さん。「悪さする子は寒ぼんさんに連れて行ってもらうえ。」そう諭されて、身を硬くした遠い日がふと蘇ってくるようなこの音は、いよいよ本格的な寒さが来ることを伝えてきます。いっそう研ぎ澄まされていく京都の冬は「寒い」と言うより「冷たい」と言い表すのが的確でしょうか。「冷とぉおすなあ。」この界隈に暮らしておられる少し年配の女の人は、きれいな京言葉でそんなふうにおっしゃいます。
寒の内に大きな寒波が居座ると、便所のそばの手水鉢にかかる筧に出来たツララは日を追って太くなってゆき、いっこうに解ける気配がありません。家は冷蔵庫の中のよう。
そんな冬の朝ごはんには、数種の漬物をお伴にお腹から温まる白粥や芋粥をよく炊きます。それと何よりの楽しみは、家事仕事のあいま、炭火で焼いて醤油を絡めた「かきや」をバリバリ割ってお粥と食べること。鏡餅から作るこの「かきや」がそれは美味しいのです。二年物のひねた漬物「ひゃくいち」、新春に漬かり上がった「おくもじ」といっしょに味わって頂きます。
立春過ぎたころまで ゆるゆると開きます。
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【ご案内 詳細】
2022.1.25(火)-2.6(日)※2.1(火)午後〜休み
冬の朝ごはん @秦家住宅
御献立…白粥/漬物(おくもじ・ひゃくいち・他)/かきや
■1月25日-2月6日(水-日)開催:11-16時半
※前日までにご予約の上お越しください。
※2.1(火)午後〜休み
・時間:11時〜、13時〜、15時〜
会費:2.500円(秦家住宅見学料1000円込み)
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【予約】お申し込みはこちらより。
❶ご予約日時
❷全員のお名前
❸ご人数
❹電話番号をお知らせください。
○お願い
・マスクをお持ちください。
・入れ口で手指の消毒をお願いしています。
・体調不良の方はご遠慮願います。